ケータイ小説 野いちご

眠れないほど好き【短編】

上司受け

わたしが落ち着かなくなったのは、茜がいなくなるとわかった二カ月くらいまえだろうか。


高卒で業平の九州支社地方支店に勤めだして七年がたつ。

総務職について仕事をつかむのに一年、慣れるのに一年、余裕の三年目からはひたすらにベテラン街道をまっしぐら。


オフタイムではそれなりに遊んできたけれど、カレシについてはピンと来る人はいなくて、流れで付き合ってもやっぱり続かず、ただ面倒くさくてリタイア。


美人でもないくせにわたしはわがままだ。念のために自己申請すると不細工でもない。たぶん。


自慢じゃないけど上司受けがいいことは確かだ。

競争率の激しいなか、高卒というレベルで採用されたこともその証明かもしれない。

結婚ということを考えれば、上司受けしたところでなんの利もないけれど。

だいたいが既婚者ばっかりだし。

あ、そっか。

唐沢は独身だけど上司なわけで、何かと用を云いつけられるのは、総務職という仕事柄じゃなくて唐沢にも受けたのかもしれない。

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