ケータイ小説 野いちご

眠れないほど好き【短編】

持ち帰り?

それから二〇分くらいして、わたしは唐沢と会場まで歩いて向かった。

会社からそう遠くないけれど、ちょっと道が入り組んでいる。


十一月も半ばになって道沿いに吹く風は冷たく、この時季は一年の終わりという感じがしてちょっとさみしい。

今年は焦りみたいなのがプラスアルファで現れた。


ここ一カ月、頭のなかがぐちゃぐちゃしていてよく眠れない。


二十五歳という年に因るのか。

響き的に二十四歳まではまだって感覚があるけれど、二十五歳となるとばかげたことはやれそうにない大人の域に入った感じだ。

それはまもなくのクリスマスのせいでもあるだろう。

クリスマスが二十五日じゃなくて五日だったら、売れ残りなんて云われなくてもすむのに。


それはともかく、上司とふたりというのは緊張する。

普通の上司よりは年が近いぶん、まだましではある。


唐沢はこっちの生活が慣れないだけに、何かと私用でわたしを借りだした。

総務という職を考えると仕事の一環といえなくもない。

唐沢はわりと砕けた話し方をする。

それでも馴れ馴れしくすれば失礼に当たるだろうし、わたしはいつも距離を置いている。

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