ケータイ小説 野いちご

眠れないほど好き【短編】

付き合ってる?

「唐沢代行、二次会には行かれますよね?」


ふいに志穂が割りこんできて、対処に困っていたわたしはほっとした。


「いやパスだ。大事な用事がある」


そう答えた唐沢はいつもの仕事口調だ。


大事な用事ってなんだろう。

こっちに知り合いはいないって云っていたし、ということは仕事なのだろうか。

そこまで仕事中毒とは恐れいる。


「そうなんですかぁ」


わたしが絶対やらない甘えた云い方で、志穂は可愛く口を尖らせた。


ほぼ一まわりという年の差をものともせず、赴任当初から志穂が唐沢を狙っているのはみえみえだ。


唐沢は女性から見て充分条件がそろっていて、誘われたら断る人なんていないだろう。

逆に、それでも独身というのが引っかかる。

縛られたくないのか、女嫌い、微妙に逸れて男好き、もしくは片想い中。

いや、それ以前に、茜のようにきっかけがあればすぐにでも結婚できるカノジョが東京にいるのかもしれない。

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