キーンコーンカーンコーン……

「はぁ~…やっと終わった……」

数学の先生 通称 塚じいのありがたいお話を、右から左に聞き流しながら、

どうにか、昼休みまで持ちこたえる事が出来た。


「真由~!一緒にお昼食べよ~」

「うんっ」


あたしに、声をかけてきたのは、学年一可愛い女の子。

あ、学年一可愛いってのは、あたしの推測だけど。

この子の名前は、山内 美優。(やまうち みゆう)

可愛いし、スタイルいいし、あたしの憧れ。

あたしが、身長160センチに対して、美優は、155センチ。

目はパッチリだし、小顔だし……

美優さん……羨ましい限りです!!


「あ…、いたいた!二人とも、探したよ」

「あ、もも!」


今来た子は、石森 百華。(いしもり ももか) 通称 もも。

身長150センチと小柄で、明るくて親しみやすいタイプ。
そして、何より、動きが、ひよこにそっくりなんです!!


こんな、可愛い二人と一緒に居る、何もかも平凡なあたし。

二人とも、高校で見つけた、大切な親友。

あたしの悩み事とかも親身になって聞いてくれるんだ。

でね、二人とも、よくあたしに、恋愛相談をしてくる。

なんで、こんなあたしに??

最後に、恋愛したのが小学生のあたしに??

って、最初は疑問だったんだけど、今では、二人の恋愛指南役のあたし。

喜んでくれる二人の顔を見てると、あたしも嬉しくなるんだ。

思わず、ニヤけるあたしを見て、二人は、ドン引きのご様子。


「真由、にやけてないで行くよ!!」

「う……うん」


半ば強引に引っ張られて着いたのは、屋上。

綺麗な青空が広がっていて、まさに、お弁当日和。(笑)


「ラッキー!今日、貸切じゃん」


ももが言った事を確かめるために、辺りを見回す。


「本当だ……」


いつもは、学生で賑わう屋上も、今日はあたしたちだけ。

なんか、気味が悪い。


「いつも、こんなことないのに……」


美優が呟くのも、無理はない。

ももは、そんなあたしたちを知ってか知らずか、お弁当を広げている。


「も~……二人とも遅いよ~」

「ご……ごめん」


あやまるあたしに対して、早く~……とせかすもも。

いまだに、首をかしげてる美優。

何かがおかしい。

それが、今日に対しての印象。