――ピチチチ…。 こんな青空は、久しぶりじゃないかってくらい、空には雲一つない。 鳥のさえずりを聞きながら、あたしと大翔は玄関の前に立っていた。 「自分の家なのに、緊張する…」 「オレも…」 大翔が、お母さんに会ってくれるという事で、日曜日、お母さんは休みを取った。 「あのね、大翔。本当に申し訳ないんだけど、実はお父さんもいるんだ」