――ピリリリ…。


駅のホームに鳴り響くベル。


毎日の通学は、一人が当たり前だったのに、いつの間にか大翔がいて当たり前になってる。



“ごめん。寝坊した。先に行って”


つい数分前に入ったメールに、あたしは思わず笑いが出た。



「もう。大翔らしい。遅刻しないでね」


携帯を閉じた時、


「あの、すいません。ちょっといいですか?」


見知らぬ女の子が、声をかけてきた。



「は、はあ…」


振り向くと、そこに立っていたのはS女の子。


うそ…、S女の子なんて、縁起でもないんだけど。