全速力で走る僕に着いてくる影

足はもげるかと思うくらいの速さで耐える

汗は制服に吸いついていく

高貴にきっと何か起こるはずなんだ!

いつ起こるのかはわからない

何が起こるかもわからない

だけど、僕の事を信じてほしい

僕の話を聞いてほしい

そんでさ、

高貴にはずっと笑顔で世間知らずの僕に話かけてほしい

道路挟んで

反対側の歩道のコンビニから出てくる高貴を見た

「こーーーきーーー!!」

大きな声で叫んでも車の量が多くて掻き消されてしまう

届け





届けよ

「こーーーーーきーーーーー!!」
大きく振った手

勝手に足は進んでいた

高貴を見失わないように車を確認して渡ればいいんだ

「こーーーーきーーー!」
高貴はようやく気付いてこっちを向いて
手をあげ笑っていた

僕はようやく落ち着いた

車の列がちぎれた時

僕は高貴の元へ走って行った



バイクには気づいてなかった

Janeの悪戯なのか、神様の悪戯なのか
ポケットから携帯が落ちてしまった

それを取ると同時にヘッドライトに照らされた僕

すべてがスローモーションになった

高貴の笑顔が一気に消えた

僕は何か強い衝撃があった

その日から

Janeは僕の中にとどまっている事にしたような気がした

道路には真っ赤なきれいな血が流れていた

青い世界

いや

赤い世界・・・?