ふー!

 ちょっと暴れていたから疲れちゃった。

 ベッドから起き上がった美咲は寝着を羽織ると、傍のミラーの前に腰掛けて自分の顔を軽くメイクし始めた。

「和也ったら、浮気しているわね?」

 何だ何だ?

 今度は、浮気の話しと来たか?

「浮気? してねーよ」

「嘘ばっかり。絶対、浮気している」

 浮気とか言われて俺は首をかしげた。

 浮気なんて、やった覚えが無いからだ。

 思わず苦笑いしてしまう。

「してねーったら。何で、そんな事を訊くんだよ?」

「いつもそのコと、親しそうにしてるじゃない?」

「だから、何だよ?」

「私ィ、すっごく気になる」

「誰だよ? そのコって」

「ホラ、受付の小出めぐみ」

「ああ、小出さん…」

「そのコの事、好きなんでしょう?」