「美咲…」

　すっごく緊張しながら俺、美咲に声をかけていた。

「…」

　美咲は全く無視。

　朝、出社した時なんかはこう。

「おっ、はよう！」と、すこしキザっぽい感じで俺は挨拶した。

　美咲の反応はと言うと…

「おはよう…ございます…」

　一応は挨拶を返してくれる。

　でも何だか張り合いが無いし、ドライな感じを受ける。

　美咲のヤツ、具合でも悪いのだろうか？　

　いや、そんな事は無い。

　同じ事務課の連中とは親しそうに話しをするし、時には他の女の子たちと馬鹿笑いしながら明るくお喋りをしているのだ。

　なのに俺に対しては、暗く陰険な態度だし無視を決め込んでしまっている。

　何か、あったのだろうか？