私が尼崎君と付き合うと
拓馬が悲しむ。

ソレが嫌だから付き合って欲しくないの?

「ねぇ・・・唯。」

「好きだよ。
拓馬の事は小さいころから大好きだった。
けどね、拓馬が絢の事スキって聞いてから
もう拓馬の恋を応援しようって。」

なにそれ。
好きな人の幸せが自分の幸せ?
馬鹿みたいなこと言わないで・・・

「告白したらいいじゃん、
そんな中途半端で諦めるなんて許さない。」

唯は3人の中でもいつも明るくて、
笑っててムードメーカー。
そんな唯が半端な気持ちで諦めるなんて。

「・・・告白?」

唯が私をまっすぐみつめる

「うん。そんな好きな人の幸せが
自分の幸せとか綺麗ごと言わないでさ。
・・・しなよ。告白」

唯は少し黙り込んだけど
笑顔を私に向けて

「・・・わかった。してみる!
絢よりいい女だって思わせてやるんだからっ!」

「うん。
それでこそ、唯だね」

私たちは無邪気に笑いあった。