昔から、ばかみたいに演技が好きだった。


中三からわがままを言ってまでアクターズスクールに通い、高二でスカウトされて芸能界入りした。


入って一年目くらいに、ドラマ化された有名小説の主役を任された。


というのも、もともと俺は脇役だったが先輩俳優が怪我で演じられなくなって、たまたま一目おかれていた俺にまわってきただけだった。


それが大ヒットし……瞬くまに俺は日本中に知られた。


三年目にはハリウッドデビューも果たし……そして、今に至る。


22で三年連続受賞は俺しかいないらしい。


なにもかもうまく行っている-そう感じていた。


少なくとも、あの時までは。