真っ白な光に包まれながらゆっくりと
目を開けば天を泳ぐ鳥の姿が目に映る。


海音はいつもと違うことに気づきガバっと
起き上がると周りには見渡す限りの空、
そして綺麗な緑の草原。


「何処なのここ…」


静かに呟くが返事など返ってくる筈もない。


海音の頭に過ったのはさっき見た夢。
恐る恐る右腕を握るとズキッと痛む。


見ればそこはうっすらと赤みを帯びて
少しだが腫れていた。


あれは…現実?


そう思うと妙に冷静になる頭で静かに
考え始めた結果、


「異世界…」


信じ難い話だが今の海音にはそれしか
考えが浮かばす仕方なくそう納得する事
しか出来なかった。