「んー…職員室は何処だ?」

只今私、絶賛迷子中。

いやだってさ、中学校がこんなにデカイとは思わなかった訳ですよ。

あ、私の名前は夏風 黒奈っていうんだ。ちなみに中学三年生!

っと、早く職員室見つけなきゃな…転校初日から遅刻なんてメチャメチャ恥ずかしいし!
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「ははは…本格的に迷った…。」

さまよってるうちにもっと分からなくなり…。

まぁ、私、方向音痴だし?しょうがないよ。うん。

あ゙ぁ゙!?もう時間ギリギリじゃん!!

くっ…しょうがない、人に聞くか…。

ぉお!!ちょうどいいとこに人発見!!

いや、でも待てよ…。あの人、中学生なのに赤髪?バリバリ校則違反ってますよね?

どうしよう…聞かないと間に合わないし…

赤髪に聞いて遅刻しないのと聞かないで遅刻するの…

「絶対に赤髪に聞く方。」

そう私は決心して赤髪の人に話かけた。

「ねぇ、職員室どこにあんのか教えてくれない?」

いきなり私が話かけたから男子はキョトンとしながら振り返った。

この男子…カッコイイな!!

赤髪に狼みたいな鋭い目付きに涙ホクロ、ルックスは最高と言えるほど完璧。

あれか。モテ要素満載とか言うやつか。

「ん?なんや?」

ぉお、関西弁だ!!初めて聞いたなぁ。

「えーと…職員室、どこにあんのか教えてくれない?」

「……あぁ」

赤髪の男子は一瞬怪しく笑って教えてくれた。

「ありがとうございました!!」

「職員室は分かっていなきゃアカンで?」

う…、たしかにそうなんだけどさ…

「では!!本当にありがとうございました!!」

そう言って私は教えてもらった方角に走って行った。

あの赤髪男子がニィと笑っているのを知らずに。