ケータイ小説 野いちご

Silver Forest

第三章 銀の雨降る朝

ああ、あったかい……。
何だろう、この安心感。

だんだんと覚醒していく意識の中、私はそう思った。
目を開けると……

「おはよう、みどり」
すぐ目の前にあった顔が近づいて、唇に柔らかな感触が。

「っ!!……ぎゃあぁ〜〜〜っっ!!」

私は飛び起き、青い瞳を丸くしている少年に向かって叫んだ。
「この変態っ! エロガキ!! な、ななな、なんでっ……!! なんでキスなんか……!!」

恥ずかしながらこの歳で、ファーストキスもまだだったのに……っ!!

「何をそんなに驚いてるの? 挨拶しただけじゃないか」
「あ、あああっ挨拶?!」
「そ、オレとみどりの仲だもん、当然だろ?」
「仲って!! なっななっ何もっ……!! あんたと私は見ず知らずの……!!」

そこまで言ってハッと気づいてみれば。
同じベッドの上にいる彼と私は、どうやら一枚の掛布を一緒にかぶって寝ていたらしい。

しかも! あろうことか!!

「キャ〜〜〜〜っっ!!」

うそっ! うそっ!!
ありえな〜い!!
私、何にも着てないじゃないっ!!

あわてて掛布を引っ張って体に巻き付け、くるりと彼に背中を向けてうずくまる。心臓がバクバクいって、今にも口から飛び出しそうだ。

と、とにかく落ち着こう!!
え〜と、え〜……

た、確かこいつ……
“オレの子を”
とか言ってた……。

まさか、まさか……
あぁっ、おかーさーん!!
私、もうお嫁にいけない……?

「ふふっ……みどりは可愛いなぁ〜♪ やっぱり、オレが思ってた通りだ」

後ろから抱きついてきた腕を振りほどき、私はキッと彼をにらんだ。

「あんた、コレ、犯罪だからねっ!! 未成年だって犯罪は犯罪よ! 訴えてやる!! 絶対、許さないんだから!!」

彼は困った顔をして、少ししょげた様子で首をかしげた。

「えぇと……? どうしてそんなに怒るのかなぁ? ここに来る途中で雨に降られて濡れたから、仕方なかったんだけど……」

「へ?……ってことは……」
「うん、みどりが期待してるようなことは何も……」
「“期待”じゃなくてっ!! “心配”でしょっ!!」

言葉と同時にパンチが飛び、彼の頬にクリーン・ヒットした。


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