「これ、全て集めておきましたので」



そう言って、私が言葉と一緒に差し出したのは、今日提出日のクラス全員分の音楽のプリント。





「ありがとな」



音楽教師の橘 勇介先生は、そのプリントたちを受け取って私の頭をクシャッと撫でた。



ドクンドクンと心臓が駆け足になって音を刻み始めるのを、平然とした表情を装いながら聞いていた。