ケータイ小説 野いちご

LOVELY☆ドロップ

plentifully☆ドロップス


side:Inori Kusakabe



あたし、祈(イノリ)。

まだ5歳だけど、りっぱなレディーよ?



そんなあたしにはふたりのママがいるの。

ひとりめのママはね、あたしを産んで、すぐに天国にいっちゃった。


パパがいるけど、ひとりのじかんはさみしくて……。


だから、いつもいつも、お写真の中にいるひとりめのママに、「新しいママをください」ってお願いしていたの。


夢の中で、ひとり目のママは、「もうすぐ会えるよ」ってそう言ってくれるけど、ぜんぜん会えなくてちょっぴりかなしかった。


それでも気持ちを、がまんしてがまんして……。



そしたらね、ひとり目のママが言ったとおり、もうひとりのママはやってきた。




ひとりめのママはもうお空にいて、あたしの近くにいない。

だけど、さみしくないよ。



だってね。

あたしには、ふたりのママと、パパがいる。

それにね、もうすぐふたりめのママから赤ちゃんが生まれるの。

あたし、おねいちゃんになるんだ。



「……? なんだろ」


だれかがあたしを見ているような気がして、ちょっと目をむける。


そしたらね、お日さまの光がひとり目のママがいる『おぶつだん』のところまで照らしているのが見えるの。


その光はまどから入ってくる風さんにのって、きらきらひかるきれいなアメ玉みたいに、あたしのまわりでたくさん光っている。


まるで、いろんな色があるドロップたちみたいにね。



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