朝、通学路。

「ねねねねね」

丹下 雛菊(たんげ ひなぎく)は、じゃれ付き纏わりつく仔犬のように、色白男子の周囲をチョロチョロする。

長いツインテールがその度に揺れ、シャンプーの芳香が色白男子の鼻腔をくすぐる。

「知ってる?私『美少女二十選』の候補に選ばれたんだよ?」

「そ、そうなんですか…流石雛菊ちゃんですね…」

『美白の女王が語る10分スキンケア』というタイトルの本を読む…ふりをしつつ、チラチラと雛菊の方を見る色白男子。

うむ、今日も雛菊は小麦色の肌で健康的。

可愛い事この上ない。