虫の声が鳴り響く、夜の天神学園中庭。

既に校舎に灯りはなく、静まり返った学園はピンと張り詰めた空気さえ感じさせる。

その張り詰めた空気を。

「聞こえているのだろう!」

李 龍娘(り ろんにゃん)は裂帛の気合と共に雄叫びで掻き消した。

「私を敗北させた男が、この闘気に気づかないとは言わせんぞ。聞こえているのだろう!」