キュ、キュ、と、上履きで廊下を歩く、不揃いな二つの音が放課後の静かな空間に響き渡っていた。


ひとつは速く、ひとつはゆっくりと。


放課後になってから、それなりの時間が経った廊下は誰もいなかった。


「…あの、先輩…どこまで行くんですか?」



私は隣をスタスタと歩いて行く先輩を見た。



「この前と同じところ」



先輩はニコッと笑って私を見ると、また前を向いた。