「ゴメンね、私……………お父さんに、とっても言いにくい報告があるんだぁ」


今日は、休日。

 
純くんとあれこれあった二日間から、また三日経った。


間の二日間では、空き教室に行っても純くんの姿を見かけることはなかった。


 
………まぁ、安心して寝れたんだけど。


「あのね、お父さん、色葉実はね………」


リビングにある、お父さんの写真に向かって、ご報告。


「どーしたの、言いにくい報告って」

 
洗濯物をたたんでいるお母さんが、私に訊いた。


「………まぁ、ちょっと」


「ふ~ん……………あんまり、残念なこと報告するんじゃないわよ?お父さん天国でもあんたの心配してかなきゃいけないなんて、気の毒よ」


「わかってるもん………」


 
『天国』。


私のお父さんは、今そこにいる。


私が中一のとき、ガンに侵されて亡くなった。