ケータイ小説 野いちご

ここにある

第一章
空腹な夕暮れ

駅を出て、特に向かうあてもなく、あたしはだらだらと歩いた。

胃のあたりが、きゅーっと縮むように痛んでいる。

空腹感はわけもなくミジメな気分にする。


「あー、照り焼きバーガー食べたなぁ~」


わざとらしく、マヌケにつぶやけば、口内の唾液がすぐに反応した。

濃厚な照り焼きのタレを口中にべとべとつけて

はみ出したマヨネーズを舌ですくい、我を忘れて食べてみたい。


飢えたライオンがシマウマにかぶりつくように、獰猛で残酷に。



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