*慧視点



未空ちゃんの要望で近くのラーメン屋へと向かう。

テーブル席に座り適当に注文する。


(それにしても、今日はいろんなことがあったな。)

俺はテーブルに頬杖をついて、うとうとし始めた。

とにかく、疲れた。

過去を思い出し、とりあえずひと段落したと思うとともに一気に眠気が襲ってくる。

ぽかぽかと温かい店内のせいもあり、静かに瞳を綴じた。


「慧、寝るのかよ。」

心晴が俺を見て呆れたように言う。

「...おう。10分後に起こして。」

「わかった。」

そして俺は、瞳を綴じた。

どっと疲れがでて、すぐに眠りにつく。

わずか数秒で夢の中に入ってしまった俺を見て、心晴と未空は驚いていたらしい。





___2018年、夏。


俺は、懐かしい夢を見た。


場所は、彼女と同棲しているマンション。

キッチンには俺と同じ歳の門倉未空が立っている。

もう付き合って6年目になる。

そろそろ結婚もしたいと思うが、まだやることがあるためにできない。

リビングのテーブルでずっとPCと向き合っている俺を見て、

未空はキッチンから顔をだして呆れたように言った。


「いつまで仕事してるの~?」