如月は普段からよく“やる気が感じられない”と言われる。



別にやる気がない訳ではない。



だが今は自分でもハッキリ判る。



“…全くやる気が出ない…”



何故刑事になってまでこんなチビッコの子守をしなきゃならないのか。



ふと斜め後ろを歩いていた少女が「おい」と如月を呼んだ。



「ん?呼んだ?」



「私は“チビッコ”ではない。」



「……なんだって?」



「今“何故こんなチビッコの子守をしなきゃならないのか”って思っただろ?…私は“チビッコ”ではない。」



少女の言葉に思わず絶句する如月を彼女は無表情のまま睨んだ。



如月は口をパクパクさせ意味不明な言葉を吐き出す。



彼女はピクリと眉を動かし、微かに怪訝そうな表情をした。