シスター・マヤは、自分の両親を知らない女の子である。

生まれて数日と経過していない赤ん坊だった彼女は

産着を着せられて、カゴのなかに入れられた状態で、ある病院の前に置かれていた。

いや、捨てられていたと言った方が正しいだろう。


「真弥」と名づけられた、その女の子は

乳児院、そして児童養護施設で育てられる。


真弥が10才になったときに、教団はこの施設から数人の孤児をあずかりに来るのだが

マザー・アミコは、この少女を初めて見たときに思った。


(この子は使える…)


ピンと、くるものがあった。