「じゃ、皆、有意義な夏休みをすごすよーに」

 少しけだるそうに話す教師は。

 私のクラス1年3組担当の『安藤浩介』。

 まぁ、若くイケメンな先生で、人気大アリ。


 私は別に、安藤先生・・・キライではないのだが。

 時折、話しかけたくないと思うのは、こういう気だるさ満点の話し方だからかもしれない。


 私は、手元にあるプリントに目を通した。


 夏休みの課題などについて、細かくつづられたものだ。

 私はそれを鞄につっこんで、家に直行した。


 明日から夏休み。

 夏休み自体楽しみで。

 でも、あるイベントがもっと楽しみ。


『あ、麻友か? 明日朝10時ごろ、迎えに行く。いいか?』

「あ・・・うん」

 前にも言っていたように。

 私は夏休みの10日間。

 仲谷くんのお家へ行くことになっている。


 意外にも、彼氏の家・・・初めてなんだよね。

 だから、家の外装も場所も。

 大きさも、何も知らない。


 だから、好奇心が少し溢れてる。


『じゃ、明日な』

「うん・・・また明日」

 私は、携帯のボタンをプチっとおして、通話をやめる。

 明日か・・・。


 私はベッドにダイブ。

 そして、少しうーっとうなって、お泊りの準備をした。