「大木、ちょっといい?」

「あ・・・向井くん」


 向井くんとは、この間プールで微妙なことになってしまい・・・何か気まずい。

 仲谷くんに追放されたこと、向井くん知ってるんだもんな・・・。

 だろうね、向井くんの目の前で追放されたし。


 はは・・・。

 皆にビックリされてたなぁ。


 そんなことあって、私は向井くんを少し避けていた。


「あのさ、少し話があるんだ」


 ・・・仲谷くんは、生徒会室。

 ま、いいよね。

 少し話すくらい・・・。


 私は、ガタっと席を立って向井くんにテクテクとついていく。

 
 
 あれ・・・?

 今まで気付かなかったけど。

 向井くんって意外にイケメンさんだな。

 身長も高いし。

 髪サラサラだし。


 でも、やっぱ好きなのは仲谷くんだ。



 仲谷くんのことを考えていたら、昨日仲谷くんが言っていたことを思い出した。

 何か、向井くんが私に惚れてるとか。

 何とか。


 いやいやありえない。


 自意識過剰になりそう。


 で、連れてこられた場所は中庭。

 花壇に植えられている花が、風に吹かれてそよそよとなびく。