「仲谷くん・・・後5分で授業だよ?」

「後5分なら、まだ時間あるだろ」

「そう、だけどぉ・・・」

 生徒会室。

 めったに使われない部屋で。

 ほぼ生徒会長の部屋と化しているこの部屋。

 私は最近、ここに訪れることが多い。


 理由は、仲谷くんがいるから。

 仲谷くん、なんと生徒会長だったのです!

 知らなかった自分が恥ずかしいなぁ・・・。


 3年の先輩から受け渡しで、まだ新しい、新米生徒会長さんらしく・・・

 仲谷くんは、ここでお昼寝をしたり、お勉強をしたり。

 教室に行くことは少なく。

 授業は、受けずに、自分で勉強をしているらしい。


 さて、後授業まで5分。

 ここから教室まで、走って1分。

 最低3分前には切り上げたいとこですが。


「仲谷くん、授業がっ・・・」

「オレ、いってなかったけ? 束縛強いってこと」

 私の居る場所は、生徒会室の、ソファに座っている仲谷くんの、ひざの上。

 ほぼ、強引に座らされ、こういう状況に。

 この格好、かなり恥ずかしいんだよね・・・。


 体は、ガッチリと仲谷くんの腕でロックされており、身動きを取れない状況。


「でも、授業はでなくちゃ・・・」

「ん、じゃ。これでガマンしとこうかな」

 顔を手でクイっとつかまれ、唇が重なる。

 キスの後、唇が首筋などに移動して、少しくすぐったい。

 そして、恥ずかしい。


 まだキスに慣れない私は。


 いつも顔を真っ赤にしてしまう。