「お前…なにを知っている」
黒髪が放った言葉には十分すぎるくらいの威圧感があり、どこかアノ人を思い出させた。
無言を決め込んでいるわたしに黒髪は続けて、語りだした。
「俺たちは総長がなんで死んだか、知らない。
その事を知っているのはお前と…斎条こういちだけだ。
だが、その斎場こういちも務所で自殺した。」
わたしはその言葉に瞬発的に顔を上げた。
「もう、お前しか知っている奴いないんだよ」
そう言った黒髪の目には悲しさと絶望しかなかった。
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