又バレンタインデーがやって来る。

美紀が果たして誰を選ぶのか?
高校では、この話題で持ちきりだった。

もう既に全員が、三つ子が本当は双子で、美紀が養女だったことを知っていた。




母直伝のトリュフチョコの材料を確認しながら、美紀は沙耶と過ごした日々を思い出していた。

正樹が生死の境をさまよっていた時、親身になって世話をやいてくれた沙耶。

母が本当は鶏嫌いだったことを教えてくれた沙耶。

自分の素直な気持ちを聞いてもらいたいと、美紀は沙耶を訪ねる決心をした。