結斗side

あの橘の泣きそうな顔。



頭から離れない。




……俺も、好きです。
橘と、付き合いたい。



こんな気持ちで、花音に会ったりでもしたら…



本音を言っちゃいそう。


花音…ごめん。
もう限界かもしんない。



運が悪いのかいいのか、教室のまえに。


花音が居た。



「ゆーいとっ!!」


いつものフワフワな笑顔。


……もし、本音を言ったら。


花音から笑顔まで奪ってしまうのか?



「…どうしたの?暗い顔して」



「あぁ、ごめん」


でも。

言わなくちゃな。


大陽のいうとおり、もっと深く傷つく前に。



「いきなりで、ごめん。花音、俺達…」



「嫌だ!別れない!」


すごい…

俺の気持ち読んだんだ…



ドッカンってぶつかるか…!


「最初から、花音は妹としか見えなかったんだ。だから、花音を傷つける前に…」


「それであの子に告白するの?」



告白…?

そんなこと…



「しねぇよ。俺は花音も橘も多少…どころかかなり傷つけたから」