【松村結斗side】       そっか…



大陽が橘と…



次会った時に、おめでとうって素直に言えっかな…


あんなに顔を真っ赤にさせて。



……やっぱ、悲しいかも。

好きな人が、目の前で告白されてんのを見たら。



…もし大陽と橘が付き合うことになったら、勉強を教わることもなくなるよな。


「結斗!!」


振り返ったさきに、大陽。

何やってんだよ、彼女を残して。



「お前、花音と付き合ってんの…!?」


は…?

なんで今その話なわけ?



「まぁ。なんで?」



「花音に恋愛感情なんて持ったことねぇくせに!!」


「は…?」


なにコイツ。意味わかんねぇ。


「花音を苦しめることになんだぞ!?そして橘も!!」



今、なんて言った…?

橘?


なんで橘が出てくんの?



「橘はな、お前が好きなんだよ!あ…ヤベ、言っちゃった…」


お前のトンチンカンなとこ、たまに尊敬する。


それよりも。


橘が、
俺のこと?


「またいつもの冗談?」

「冗談…あ、うん、そう、冗談だよ?冗談!」


いや…絶対冗談じゃねぇよな。