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昼休みは図書室へ 【完】

松村くんの彼女
友達としての距離


……来てるかな。


いやぁ、来てないでしょ。
でも、行くか。



ガラガラっ

「「あ!」」

目が合って、松村くんと同時に声が出た。


来てる。

ってことは、彼女さんと仲直りしたってことか…



「昨日はごめん。橘に対しての誤解はちゃんと解いたから」

「うん、ありがとう」

「でも」

急に松村くんのトーンが下がった。

「図書室で二人きりになったとき、一緒に勉強すんの止めよ」


それって、
つまり。


「花音に悪いからさ…」


やっぱり、
ほらね。



「うん、そうだよね、ごめん、図々しくて」


松村くんにとって、私は友達、ただそれだけ。

ちょっぴり近づいたと思った距離は、友達として近づけるギリギリのライン。



考えれば考えるほど、複雑で。


「今日は私達以外誰も来てないし、私は離れて勉強するよ!」


作り笑いをして、いつも二人で勉強する机から一番離れた机に荷物を置いた。


顔は笑ってるのに、心の中じゃ、大泣きなんて。



……こんなに離れてちゃ話すことなんて出来ないよ。

……こんなに離れてちゃ目が合って、照れることもないよ。

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