あの日からまた一週間が経った。

人間とは不思議なもので、時間が経てばなんとなく現実を受け止め始める。

ヘンリーさんの事情は理解できたし、納得もした。

でも……母親に会うのが正解なのか、全く見当がつかなかった。

ソファーに座ってぼーっとしていると、蓮が声をかけてくる。



「真梨、隼の見舞い行くよな?」

「あ、うん」



今日は隼のお見舞いに行く日だ。

ヘンリーさんに会いに行く前は二日に一回は行っていたけど、あの日以来行けていない。

あの日以来の休日である今日は、お見舞いに行くと隼に連絡していた。



何かあったのかと隼も心配してくれてるみたいだから、元気な姿を見せに行かなきゃ。

自分が考えていたよりは冷静でいられてるし、元気なつもりなんだけど……。

やっぱりみんなに気を使わせてしまっているし、いい加減ふとした時に考え込むのはやめにしないと。



「何時に出る?」



蓮に確認する。

今は13時。昼食を食べ終えたところだ。



「もう少ししたら」

「じゃあ準備するね」



メイクはいいとしても、目立つから髪と目は黒くしたい。

蓮の部屋に入って準備を始めた。