その日の夜、パパに、祐都と婚約解消したいことを一方的に告げた。


でも、心の中がぐちゃぐちゃで。


理由とかは、全然説明できなかった。


ただ泣きじゃくるだけしかできなくて。


そんなあたしに、パパは、


「わかったよ、瑠衣」


ひと言だけそう言って、電話を切った。


――もうこれで、祐都とは婚約者でもないんだ。