「…と、言うわけなんで、婚約解消をしてください」 あたしの家のあたしの部屋。 一日はさんで、律儀にまた勉強を教えにきた清水祐都に、へらへら告げた。 「これ、さ。 きっと、初詣で告られるパターンじゃん?」 翼くんからもらった手袋を抱き締めて、にやにや笑う。 「どうしよ――っ。 神様の前で誓われちゃったら――。 “君を一生大事にするよ”とか、なんとかかんとか」