時刻は、あと一時間で日付を代えようというところ。


広く荘厳な屋敷の回廊には隅々に闇が渡り、そこを一人の燕尾服の男が歩いていた。

かつん、かつん。

靴音さえ気品を感じさせる彼は、名をクラウン・セバス。


この屋敷の主に仕える執事。