〜笑顔〜



教室が笑いに包まれる。



いつだって僕はその中心にいる。





休み時間になれば、自然と人が集まりだす。



プロレス技をかけられる。



落書きをされる。



ズボンを下ろされる。





僕を見て笑い声が上がる。



僕も笑う。



僕は笑いの中心にいる…。





「どうして笑顔でいられるの?」



誰かが僕に尋ねる。



そんなの決まってるじゃないか…



僕が笑っていなければ、認めてしてしまう事になるじゃないか…。



僕は可哀相じゃない。



僕は哀れじゃない。



僕は寂しくない。





これはゲームだ。



主人公はあいつらじゃなくて、僕だ。



これは、いじめじゃない…。





僕は仮面を付ける。



笑顔の仮面を…



それを付けて、今日も僕は笑う。





鏡の前で仮面を取る。



鏡の中の僕が…僕を笑っていた。