ヒロは何考えてんのやろ?

めっちゃ会いたかって、

ずぅーっと今日を待ちわびて、

今日のために髪も切って、

今日のために服買って、

今日のためにネイルも…。


やのに、全然何も言わん。

気付いてない…?


昔と変わらずに優しくて、

独特の雰囲気があって、

私の中で世界一オトコマエな

渡辺宏紀やけど…

やっぱり“幼なじみ”なん?


手つないでくれたんは嬉しいけど

それって昔と同じで

妹扱いしてるん?


胸がキュンとする。

私だけ?

こんなに切ないのん。


「どないした?」


急に立ち止まった私を

ヒロが振り返った。

あれ、また背伸びた?

成長期いつまで続くねん。

昔は私よりちっこかったくせに。


「…ヒロ、和歌山行こ」

「はぁー?今から?」

「今から」

「ムチャぶりやなぁ~」


サラっと流して

歩きだそうとする。


「ヒロキ、ちょ…」