「グズッ…ヒック……どうしよ……やっぱダメだ………」


誰もいない中庭で、私は1人泣いていた。


昨日留雨に告白されているのを連右に見られ、話したくないと言われた。


去って行く連右を追いかける事も出来ずに、私は泣きじゃくった。


何度名前を呼んでも、連右は戻っては来ない。


頭では理解しているのに、心がついていけなかった………


“紀香……大丈夫か?”と心配してくれてる留雨の優しさが痛くて…………


“ごめん留雨……少し考えさせて………”とだけ言い残し、走って帰ってしまった私。


「フェッ……」