夜遅く、風の音でふと目が覚めた。


叩きつける風が窓ガラスがガタガタと揺らす。


時計の針は深夜の2時半を回ったところ。


また、今日が始まる。


今日が始まるということは、優輝との別れの日がまた一日近付くということ。


真っ暗な部屋の中で、あたしはどうしようもない気持ちを抱えながら髪をクシャクシャと指でいじった。



こんなにも怖いものだとは思わなかった。


優輝や家族、そして友達との別れが。


そして何より、あと数日で『白石純恋』という人間がこの世からいなくなることが。


『死』という言葉を頭に思い浮かべただけで、恐怖に飲み込まれそうになる。