「奈菜さん、お待ちしてましたよ」

会社を出た私を迎えたのは、M。

お待ちしてましたよって、何かカレカノって感じ。

あ、今はそう言うシチュエーションか。

見かけだけ。

私はMに駆け寄る。

「ありがとうございます」

玄関を出る社員たちが、私たち――と言うよりも、Mの方にみんな注目している。

すれ違うたびに、みんなMの方を見るの。

そりゃ、この容姿だもんね。

まず1度は目を奪われちゃうよ。