■Mirror.3



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実行委員が決まってはじめてのロングホームルーム。


今日は委員が中心になって文化祭の出し物を決めることになっている。


だけど…


まとまりのないあたしらのクラスでは、前に出てきた委員の進行にちっとも耳を貸そうとしない。


「し、静かにしてください!文化祭の出しものを…」と森本さんが教壇で一人がんばっているが、誰もその話を聞いていないようだった。


教室の一番後ろで腕を組んでその様子を見守っていた水月も、ちょっとうんざりした様子でクラスを眺めている。


文化祭は提案するのも実行するのも、予算を決めてお金を回収するのも基本生徒が行う。


担任教師はそれを監督するだけで、よほどのことがない限り口出ししたりはしない。


あたしは文化祭の予定表を配った。


文化祭は10月の第二週目の土曜日と日曜日。


土曜日は生徒間だけの公開になるけど、日曜日は一般公開もする。


外部の人間が出入りするわけで、生徒たちは必然的にそっちの方に力が入る。


出し物は飲食系の模擬店をはじめ、お化け屋敷とか体育館を使っての演劇とかベタな出し物が多い。


と、ここまでは普通の学校と変わらないけど。


他の学校と違うところは、全校生徒と教師、それから一般のお客の『投票』を行い、


『文化祭大賞』なるものを決める。