「・・・ん。」
あれここあたしの部屋じゃない・・・。
あたしなんでここに居るんだっけ?
ガチャ
「やっと起きたか。」
思い出した。昨日助けてもらってそのまま寝ちゃったんだ。
「はい・・・。あのここってどこですか?」
「ここか。ここは龍華っていう族の倉庫だ。」
「そうなんですか。」
「そういえばお前名前は?」
「あたしは長島瑠佳っていいます。」
「瑠佳か。俺の名前は桐生隼人だ。」
「隼人さん・・・。」
「隼人って呼べ。さんは要らない。あと敬語も。」
「うん。」
ドドドド・・・ガチャッ
「ほんまに女の子がおる。」
「珍しいな隼人が。」
誰だろう・・・
「おいお前ら急に入ってくんな。瑠佳が固まってるだろうが。」
「あ、ごめん。とりあえず自己紹介するよ。僕は黒沢恭一。」
「俺は海瀬紘や。よろしゅうな。」
「長島瑠佳です。よろしくおねがいします。」
みんないい人そう。
「そういえば瑠佳ちゃんその頬の痣どうしたの?」
「え・・と。」
「ゆっくりでいいから話してくれないかな?」
この人達なら話しても大丈夫かな。
あたしはそう思いゆっくりと話だした。
「この痣は、実の父親に殴られたものです・・・。
あたしの家は母親がいません。母は別の男を作って
家をでていきました。それから父は夜遅くに帰ってきては
あたしに暴力を振るうようになりました。」
話してると頬に温かいものが流れた。
「瑠佳ちゃん・・・。辛かったね、でももう大丈夫だよ。
瑠佳ちゃんが殴られることは無いよ。」
「瑠佳、今日から俺ん家に住め。」
「・・・え?いいの?」
「あぁ」
「ヒック・・ありがとう。誰にも話すことが出来なくて
ほんとはすごく苦しかった。」
「もう大丈夫だ。これからは、ずっと俺たちが一緒に
いる。」
「うん。」
こんなあたしにも大切な人たちができた。
これからが本当のあたしの人生の始まりだと思う。