「────ここが、青天目ビルヂングか」



 次の日、俺は今までの人生で一度も足を踏み入れた事のないようなオフィスビルにいた。


 握り締めたビラを、睨みつけながら場違いな自分に後悔しながら目的地を探す。


「って、地下なんてねーし……」


 たどり着いたエレベーター、目的地の地下一階に降りてみようと「下り▼」ボタンを探す。

 だけど、少ない脳ミソをフル回転させて探してみてもボタンは「上り▲」しかない。




「ん? ここでいいんだよな……」


 おかしいな? ビラをもう一度睨みつけてみる。


 青天目っていったら此処しかない。



Tricksters(株)
青天目ビルヂング地下一階

 うん、確かに『地下一階』て書いてあるし。 俺は昨夜この会社に電話をして聞いている。


 話し方の丁寧なお姉さんが『当社は、青天目ビルヂング地下一階フロアーです。気を付けていらっしゃってくださいね』と言っていた。