ユリ達が談笑していた最中…。



―パリンッ!


部屋の中にけたたましく鳴るガラスが割れた音。


「ハァハァ…。」


「大丈夫でしょうか?お嬢様。」


「少しお水を...いただけるかしら.....?」


「かしこまりました。」


傍らの執事がすぐに動く。







少し落ち着いたお嬢様と静かにたたずむ執事。


「あの女が来てからよ!」


お嬢様が声を荒げる。


そして近くにあった黒い薔薇に手を伸ばす。


「あの子もこんな色に染まればいいのに....!」




いっそ殺してしまおうか?


お嬢様の胸にそんな気持ちが過る。


ーいや…。


苦しみを味わせてから抹消するのが一番いい。


歪んだ笑みを浮かべる。







やがてお嬢様は小さく息を吐き、無表情な顔でこう言った。


「これから少し忙しくなるわよ…。あなたも手伝ってね。」


「かしこまりました。お嬢様のお望みとあらば。」


あの子のせいで私の人生は狂わされたのよ。


あの一家を痛みつけてやる....。


お嬢様の復讐が始まる....。