「着きました」


「う、うん」


祐樹が車を降りたので、私もドアを開けて……と思ったけど、緊張のせいか開け方が分からない。


そのうちに祐樹が外から開けてくれたので、私は言われた通りに足を先に出し、祐樹に手を引かれながら車から出た。


「あ、あ、ありがとう」


「志穂さん、緊張してる?」


「う、うん。少し……」


本当は少しどころではなく、心臓がバクバクしていた。


「何も心配いりませんから、リラックスしてください。あ、仕事で人と会うと思えば、いいんじゃないですか?」


「そ、そうね」


と私は言ったものの、それは無理だと思った。
いろんな意味で、仕事とは全然違うから……