あの…パーティーの日から…
身体がおかしかった。


和にとっては、普通の速度で歩いていたはず。

だけど。


「和っ…
歩くの…速いっ…」

和のそのスピードに…歩幅に…

付いていけなかった。


無理にでも彼の速度に合わせると、
足がもつれて、倒れ込みそうになる。


「大丈夫?
ゆづ…
ごめんね?
ちゃんと悠月に合わせるからさ。」


そう言ってくれる優しい和之。


身体がダルくて…重くて…
かなりゆっくりであろう和之の歩き方に、
付いていくのがやっとだった。


無事にレストランに着く。

結構盛大なバイキング。


「美味しいっ。」


皆が、そう言いながら次々と料理をとっていくけど…
私は、一皿が限界で。


「ゆづ?
具合悪いの?
全然食べてないからさ。」

「うん…
最近、少し食べただけでお腹いっぱいになっちゃうんだよね…
だけど大丈夫だよ?」


和に笑顔を向けると、安心したように去っていった。

これ以上食べられないし、先に部屋に戻っていようかな。

そう思った、ときだった。

食事会場を出てから、近くの柱にもたれ掛かる。

目眩がしたのだ。


「ふふ。
パピーが言ってたとおりの子だね?
悠月ちゃん。
自分を犠牲にしても、他人のことは気にかける。
考えたほうがいいんじゃない?
自分のことも…さ。」


そう言って話しかけてきた人がいた。


「あぁ、安心して?
僕は、パピー…じゃない、和之の仕事仲間だから。
ウィーンでの…ね。」


そうなんだ…