「美月~!ネクタイ結べないんだけど」

「…何やってんの?」

高等部の寮は、めでたく愛菜と相部屋になりました…

入学式の朝から、うちの部屋はにぎやかだ。



「ちょっと貸して…」

鏡の前で叫んでる愛菜に駆け寄るあたし。

高等部の制服は、紺のブレザーにチェックのスカート。

スカートとオソロイのネクタイを、慣れない手つきで結ぼうとしたけど…



「やっぱ人のは難しいわ…」

ぐちゃぐちゃになったネクタイから、諦めて手を離すあたし。

「えー、そんな…」

「あたしだって、そんな器用じゃないし」

自分のネクタイの結び目を確認して、ふと時計を見上げる。



「つーか、時間ヤバイじゃん。
とりあえず、行くよ!」