「久遠雅樹様の病室は……207号室ですね。お友達ですか?」


「はい。一応……」



話したこともない、一方的な知り合いなんだけどね。


下の名前も、今初めて知った……雅樹っていうんだ。




『207 久遠雅樹』



プレートのかかったドアを見つけて、ドキリとした。



この先に、久遠君がいる……元気にテニスをしていた、あの久遠君が、病室に……。




一瞬、入ることをためらわれたけど……ここまで来て、引き返せないよね。