「遼平、帰ろうよ?」


「え?...あぁ...」


遼平は何かを迷ってる、気がする


「ねぇ、遼平ー?」


女の子が遼平の顔に自分の顔を近付けてる


遼平は...もうこの子とキスをしたのかな


もう...よりは戻したのかな...


さっきの言葉も、あたしへの気遣い、なのかな


そんなの、要らないのに


同情とか、必要ないのに


「あたし、別にアンタと関わった記憶ないから。じゃあね、そいつと末永く」


あたしはそのまま家のドアを閉めた


その瞬間、泣き崩れた


初めてあたしは泣いた


ココロの底から


すべてを流すかのように


「ヒック...く...ッ」


嗚咽が入って呼吸がよく出来ない


頭が痛い


肺が壊れそう


体が、心が、すべてが


割れそうだった


「ふぅー...」


深いため息が出る


あたし...何してるんだろう


たかが恋愛で泣くなんて...


情けないな、あたし